スクリーン印刷機メーカーがみつかるメディア│プリスクリン » スクリーン印刷機の仕組み » 凹版のスクリーン印刷

凹版のスクリーン印刷

目次を見る
目次

スクリーン印刷は従来、凹面への印刷が難しいとされてきましたが、現在は先進的な技術開発により可能となっています。このページでは、凹面へのスクリーン印刷の仕組みや特徴、実例、活用ポイントについて解説します。

凹面に対するスクリーン印刷

スクリーン印刷はスクリーン版という平板を用いる特性上、平坦な対象物への印刷が主流であり、凹面や複雑な曲面に対しては印刷が困難とされてきました。

しかし、近年では形状認識機構を組み込んだスクリーン印刷機の開発により、凹面への印刷転写も可能になっています。リバース転写機構を組み込んだスクリーン印刷機の登場によって、曲率半径の小さな凹面、印刷面に高低差のある形状などにも印刷・転写ができるようになり、今まで印刷が困難だった場所への直接印刷が可能となりました。

凹面に対するスクリーン印刷の
仕組み

リバース型転写機構による
凹面印刷

凹面へのスクリーン印刷を可能にする技術の一つに「リバース型転写機構」があります。これはリバースコーターの動きを応用した独自の印刷技術で、インクが転写フィルムと対象物との間に挟まれることなく、表裏反転せずにウェットなまま移し替えられます。

凹面にも追従して転写が可能であり、インクはほぼ全量転写されるため、転写フィルムに再度スクリーン印刷を行うことで連続印刷にも対応できます。

形状認識システムによる精密印刷

凹面への印刷精度を高めるもう一つの技術が「形状認識システム」です。装置上で対象物の形状をレーザーで認識してデータ化し、独自のアルゴリズムによって動作プログラムに変換します。これにより、どのような形状でも即座に印刷可能となり、凹面への印刷時にもパターンが欠損なく転写されます。

従来の限界を超える転写技術の進化

凹面印刷を可能にするリバース型転写機構の特徴は、インクをウェットなまま転写できる点です。このため、パターンの崩れが起きにくくなり、従来では難しかったパターニングも可能になりました。

このサイトでは、印刷物の種類別におすすめのスクリーン印刷機メーカーを紹介しています。凹面を含めた立体形状への印刷が得意なメーカーも紹介しているので、メーカー選びの参考としてください。

印刷物で選ぶ
スクリーン印刷機
メーカー3選をみる

凹面の制作物でスクリーン印刷が
使用された製品例

Web上で事例が見つかりませんでしたが、凹面への印刷で特許を取得している技術を紹介します。

凹面への印刷
引用元HP:島根県産業技術センター
https://www.shimane-iit.jp/about/organization/org/701

スクリーン印刷機の専門メーカー、曽田鐵工ではこれまで不可能だった凹面への印刷技術を島根県と共同開発しました。リバース型転写機構という独自の技術を用いることで、インクの顕著なにじみや潰れなどなしに印刷が可能となりました。当技術は特許も取得しています(※)。

凹面に対するスクリーン印刷で
注意すべきポイント

凹面へのスクリーン印刷を行う際には、対象物の形状を正確に把握することが重要です。形状認識システムを用いる場合でも、素材の硬さや表面の状態によって認識精度が変わる可能性があります。

また、転写時のインクの流動性や硬化特性も重要な要素となります。特に曲率の大きい凹面では、インクの粘度や伸びに関する特性を十分に検討する必要があるでしょう。

形状と素材に合わせた技術選択

現在はスクリーン印刷技術の進展により、従来は困難だった凹面形状への印刷も可能になりました。形状認識システムとリバース型転写機構の組み合わせにより、さまざまな凹面形状への高精度な印刷が実現しています。今後も技術の発展により、さらに複雑な形状への対応や工程の効率化が進むことが期待されます。

このサイトでは、印刷物の種類別におすすめのスクリーン印刷機メーカーを紹介しています。「立体的なもの」「大きなもの」「繊維製品」といった特徴に合わせてご紹介しているので、メーカー選びの参考としてください。

印刷物で選ぶ
スクリーン印刷機
メーカー3選をみる

関連記事を見る
印刷物の種類で選ぶスクリーン印刷機メーカー3選

スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。

化粧品ボトルや電子部品の
表面・側面など
立体形状への印刷
曽田鐵工
  • 印刷が難しいと言われている楕円形の側面にも印刷可能で、インパクトのある製品製造をサポート
  • 四角柱の表面及び側面の印刷も、一度に印刷できるためサイクルタイムを短縮できる
看板・液晶画面など
大判サイズへの印刷
ミノグループ
  • 1200mm×2400mmの印刷まで可能。一度の印刷で広範囲をカバーし、大型看板や長尺素材の印刷を効率化
  • インクの片流れを防止機能や均一な印圧を再現するスキージー圧自動設定装置で、大型ゆえの使いにくさを払拭
Tシャツ・タオルなど
繊維製品への印刷
理想科学工業
  • 暗室や薬品不要でプリンター感覚で繊維品に印刷可能、小ロットの制作もスムーズで内製化に成功した実績あり
  • Tシャツでニーズが多いA3サイズの製版に対応可能。水性・油性インクも問わず、ナイロンや絹にも印刷できる
印刷物の種類で選ぶ
スクリーン印刷機
メーカー3選