スクリーン印刷は、インク層を厚く形成できることから高い隠蔽性と耐久性を実現でき、ガラス製品の装飾や機能付与に適性があります。ここでは、ガラス製品の製造におけるスクリーン印刷の用途やプロセス、活用するメリットなどを解説します。
スクリーン印刷は、ガラス製品への装飾を目的として広く活用されています。一例として、化粧品の容器や食器、建築用ガラスなどにロゴや模様、文字、イラストを印刷し、意匠性を高めることが可能です。
また、導電性インクによるタッチセンサーや配線の形成、遮光性インクによる日差し遮断などにも利用されています。さらに、自動車用ガラス、電子機器用ガラス、太陽電池など様々な分野で活用されています。
ここでは、実際に公開されている事例ページをもとに、ガラス製品へのスクリーン印刷活用例を紹介します。
飲料用ガラスボトルにスクリーン印刷でロゴ・デザインを直接印刷している実例です。 小堀加工所では、曲面を持つガラス瓶にも均一な膜厚で印刷でき、ブランドロゴやラインアートなどの意匠を美しく再現しています。 曲面への対応力と隠蔽性の高い仕上がりから、化粧品・飲料・雑貨向けボトルの装飾印刷に広く利用されています。
建築向けの平板ガラスに、模様・パターン・すりガラス調の意匠を施した事例です。 大塚孔版では、室内パーティション・ガラスドア・外装用ガラスなど多様な建材ガラスにスクリーン印刷を行っており、 建築デザインの一部として利用される高品位な意匠ガラスを製造しています。
前処理(プラズマ・コロナ)、二液型インキ、焼成など、実際の工程を詳しく紹介した事例です。 ガラス表面に高い密着性を確保するための処理方法や焼成工程の重要性を、実際の印刷例とともに解説しています。 加飾用途だけでなく、耐久性が求められる機能性ガラスにも採用されるプロセスが公開されています。
ガラスへのスクリーン印刷では、まずインキを強固に密着させることが重要です。そのため、印刷前にプラズマ処理やコロナ放電処理などの前処理を行う場合があります。次に、デザインに基づいたスクリーン版を作成します。
インクの選定では、ガラスの種類や用途に適したものを選び、二液型インキなどの密着性に優れたものを使用します。印刷工程では、ガラス基材を印刷機にセットし、スクリーン版を重ねてスキージでインクを押し出し、転写します。最後に、必要に応じて洗浄や保護コーティングなどの後処理を行って完了です。
ガラス製品へスクリーン印刷を行う大きなメリットは、他の印刷方式と比較して厚いインク層を形成できるため、高い隠蔽性や耐久性、鮮やかな発色が可能となる点です。
さらに、版の製作コストが比較的安価であり、効率的に多数の製品を印刷できるため大量生産に適しています。加えて、平面だけでなく緩やかな曲面を持つガラス製品にも対応できることから、様々な形状のガラス製品に応用可能です。
一方で、スクリーン印刷にはいくつかの課題もあります。多色刷りを行う場合、版の数だけ印刷工程が必要となることから、位置合わせの精度などが求められ、手間とコストがかかります。
また、インクの定着には高温での焼成が必要となることもあり、設備やエネルギーコストが課題となります。さらに、ガラスの形状やインクの種類によっては版の摩耗が早いケースもあるため、長期的な製造を行う際は注意が必要です。
ガラス製品へのスクリーン印刷を安定して行うには、曲面対応・大判対応・高精度位置合わせ・専用インクや治具の提案など、トータルでサポートできるメーカー選びが重要です。ここでは、本サイトに掲載しているなかでも、ガラス製品への応用に適した企業を紹介します。
曽田鐵工は、楕円ボトルなどの複雑形状にも対応する「自由曲面印刷機」をはじめ、従来難しいとされていた立体形状へのスクリーン印刷を得意とするメーカーです。
島根県との共同研究で「凹面」への印刷を可能にする技術を確立し、特許も取得していることから、ガラスボトルやフラスコ形状など、従来はラベリングや転写に頼っていた製品にもスクリーン印刷で直接意匠を載せる提案が可能です。
また、外形認識システムにより、ガラス以外の樹脂ボトルなど形状のバラつきがあるワークでも実形状に合わせて印刷できるため、「ガラス製品と樹脂製品を同じコンセプトデザインで展開したいブランド」にも適しています。
ミノグループは、最大1200mm×2400mmクラスのワークに対応する大判スクリーン印刷機を提供しており、建築用ガラスや大型ガラスパネルなどへの印刷に適したメーカーです。
インク片流れを抑える設計やスキージ圧自動設定装置など、大型機特有の「印圧ムラ」「膜厚の不均一」を抑える技術を備えているため、広いガラス面に対しても均一な意匠・機能膜を形成できます。ファサードガラスへのパターン印刷や、液晶パネル用ガラスのマスキング・パターン印刷など、広範囲を一度に印刷したい用途に向いています。
スクリーン印刷機だけでなくインキや資材も含めたトータル提案が可能なため、ガラス向けインクの選定や治具設計も含め、ライン立ち上げから量産まで一貫したサポートを期待できる点も特徴です。
ニューロング精密工業は、真空印刷機や曲面対応のスクリーン印刷機など、特殊用途向け装置の開発を強みとするメーカーです。真空印刷機は、ガラス基板を真空吸着しながら印刷できるため、微細パターンが求められる電子部品用ガラスや光学ガラスの印刷に適しています。
また、曲面用装置を活用することで、自動車用ガラスやランプカバーなど、形状が複雑なガラスへの印刷にも対応しやすくなります。「高い寸法精度・位置精度が必要な機能性ガラス」「不良率を抑えたい量産ライン」に向けて、安定したスクリーン印刷プロセスを構築したい企業におすすめです。
新栄工業は、NC制御式スクリーン印刷機など、難形状ワークへの対応力に優れた装置を開発しているメーカーです。ガラス製品では、曲面や段差を持つ部品・パネルなどに対し、NC制御による精密な位置決めとスキージ動作で安定した印刷を実現できます。
特に、複雑な端子部を持つガラス製電子部品や、部分的に厚膜が必要なパターンなど、「人手では安定しない細かな印刷条件」を自動化・数値化したい現場に向いています。治具や搬送部を含めたカスタマイズ提案も可能なため、既存ラインへの組み込みも検討しやすい点が特徴です。
スクリーン印刷は、自社のガラス製品に独自の装飾や機能性を付与したい企業に適しています。特に、耐久性や機能性が求められる印刷を必要としており、自動車、家電、建築などの高い品質基準が求められる分野の製品を扱う企業におすすめです。
加えて、飲料ボトルや食器などの装飾印刷から、タッチセンサーや遮光ガラスなどの機能性印刷まで、幅広い製品に適用できる汎用性の高い印刷技術を求める企業にも推奨されます。
前処理で表面エネルギーを上げ、ガラス用の2液インキを選定し、焼成条件まで含めて密着を確保することが要点である。
曲率に対し版離れやスキージ圧が合っていない可能性が高い。曲面対応機と専用治具で膜厚を安定化すべき。
色ごとに版合わせ精度が要る。画像認識や自動位置合わせ機能を使い、治具精度も合わせて管理するのが有効です。
ベタや高隠蔽の表現には向く。一方、極小ロットや写真調表現は、デジタル印刷との使い分けが現実的です。
用途次第だが、耐摩耗性や密着性を求めるなら焼成は重要工程。乾燥温度と時間の検証不足は不良の原因となります。
ガラス製造におけるスクリーン印刷は、製品の美観向上はもとより、遮光性や導電性といった機能性を付与するうえで重要な印刷技術です。ガラス製品で自由な表現が可能となるスクリーン印刷は、多様な製品を製造する産業分野で広く活用されています。
このサイトでは、印刷物の種類別におすすめのスクリーン印刷機メーカーを紹介しています。「立体的なもの」「大きなもの」「繊維製品」といった特徴に合わせてご紹介しているので、メーカー選びの参考としてください。
スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。


