スクリーン印刷において版離れの悪さは、インキのかすれやムラを引き起こす大きな悩みです。本記事では、版離れが悪化する原因と、クリアランスやインキ粘度の調整など具体的な対策について詳しく解説します。
スクリーン印刷における「版離れ」とは、スキージがインキを掻いた後に、版が被印刷物(ワーク)から離れることを指します。通常はスキージの移動に追随して順次に離れていきます。
この版離れが悪くなると、版側にインキが残り、インキの抜けが悪くなります。その結果、印刷後のインキの欠けや、塗布膜厚みのバラツキ、ピンホール、ムラなどが発生し、印刷品質の低下に繋がります。
版離れが悪化する主な原因は、以下の通りです。
インキがかたい(粘弾性が高い)状態だと、版離れの際にメッシュからインキが分離するための時間が余分に必要となり、版離れ性が低下します。
クリアランスとは、版と被印刷物の間の隙間のことです。この間隔が少ないと版離れが悪化し、インキの滲みなどの要因となります。
版離れをスムーズに行うためには、スクリーン版の反発力が必要です。メッシュの強度が不十分であったり、テンションが低かったりすると、十分な反発力が得られず版離れが悪化します。
版離れの悪さを改善し、印刷のかすれや欠けを防ぐためには、以下の対策を実行してください。
溶剤を添加してインキの粘度を下げ(調整し)ます。特に硬化剤が入っているインキを使用する場合は、こまめに粘度をチェックし、インキが硬くならないスピードで印刷を行ってください。
版と被印刷物の間隔(クリアランス)を十分に確保します。ただし、クリアランスを過度に広く取りすぎると、寸法精度の悪化や印刷位置の狂い、版へのダメージに繋がるため、状況を見ながら適正な数値を設定してください。
版のテンションを高く設定します。テンションが高ければ高いほど、版が平らを保とうとする力が働くため版離れが良くなります。また、反発力を高めるために十分な強度を持つスクリーンメッシュを選択してください。もし強度が不十分なメッシュを使用する場合は、印刷するパターンサイズをスクリーン枠内寸の30%程度に小さくすることで版離れを改善できます。
スキージの移動スピードを遅くすることも、版離れの改善に有効です。スピードを落とすことで、インキが十分にメッシュから分離する時間を確保できます。
高粘度のインキを使用する場合など、クリアランスの調整だけでは版離れをコントロールできないことがあります。その場合は、印刷機に備わっている版離れ装置(オフコン機構・離着機能)を活用してください。設定の際は、同じ離着量を設定しても印刷機の構造によってパターンの伸縮に差が出るため、自社で使用する印刷機の構造を正しく理解した上で条件を設定することが重要です。
スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。


