スクリーン印刷機で発生する気泡は、ピンホールや紗跡残りなどの印刷不良につながる重要な課題です。本記事では、気泡が発生する主な原因やメカニズムを整理し、インキ管理や印刷条件の見直しによる効果的な対策方法をわかりやすく解説します。
スクリーン印刷機の運用時に発生する気泡は大きく2種類に分けられます。1つはインキ中に元々含まれている気泡、もう1つは印刷時にスクリーンメッシュ交点の影響で生じる気泡です。「スクリーン印刷機で気泡が出るのは当たり前」と思われがちですが、原因を正しく理解すれば十分に防止できます。気泡の発生にはインキの粘度や弾性特性(チキソトロピー性)が深く関わっており、版離れ時のインキの流動性がポイントです。
インキに含まれる気泡は、印刷前に十分な攪拌を行うことで脱泡が可能です。消泡剤の効力が弱い場合や、透明性を重視したインキでは消泡剤の配合量が少なく設定されているため、気泡が残りやすい傾向にあります。残った気泡はピンホール発生の原因となります。消泡剤にはインキ表面の泡を破裂させる働きがありますが、インキの種類や添加量によって効果に限界がある点も押さえておきましょう。
版離れの際、スクリーンメッシュ交点の下側にインキが回り込まないと気泡が発生します。メッシュバイアス方向に規則的に並ぶのがこの気泡の特徴です。粘度が高いインキで生じやすい傾向にありますが、エレクトロニクス用銀ペーストのように高粘度でも弾性特性次第で気泡が出ないケースもあります。スクリーン印刷機における気泡を左右するのは粘度だけでなく、インキの弾性特性であるといえます。
スクリーン印刷機で気泡に起因する代表的な印刷不良は主に3種類です。ピンホールはインキ皮膜に小さな穴が開き、光が透過してしまう現象を指します。紗跡残りはインキの流動性不足によりメッシュの痕がそのまま残る不良です。はじきは素材やインキの濡れ性不良によって皮膜に欠陥が生じるもので、基材との相性も影響します。
軟質ビニールやガラス、ポリカーボネートといった素材の種類によって不良の発生しやすさは異なります。気泡に起因する不良は歩留まりの低下に直結するため、早期の原因特定と対策が求められます。
インキの粘度を下げると、紗跡残りや気泡の発生を抑えやすくなります。粘度が低すぎるとはじきを誘発するリスクがあるため、適切な範囲での調整が必要です。消泡剤はJA-750Xなどを2%前後添加するのが目安で、撹拌機がない環境では3〜4%程度が有効とされています。十分な撹拌も欠かせません。消泡剤は経時変化で効果が低下し、はじきが再発する場合もあるため、粘度調整や印刷条件の改善を優先し、消泡剤は最終手段として活用してください。
スクリーン印刷機のスキージ角度・形状を見直し、印刷速度は均一に保つ設定を心がけてください。スクリーンと基材間のクリアランスの適正化も印刷品質を大きく左右します。印刷環境は温度約20℃・相対湿度約50%が理想です。基材表面のほこりや油分、指紋は事前に除去し、清浄な状態を保つと不良防止に効果的です。刷版が古い場合は新調するだけで改善が見られるケースもあるため、印刷機の定期的なメンテナンスと点検をおすすめします。
スクリーン印刷機における気泡は、原因を正しく理解し適切な対策を講じれば防止・改善が可能です。押さえるべきポイントは次の3つです。
これら3つの柱を総合的に見直すことで、気泡に起因する不良率の低減が期待できます。日々の業務で定期的に条件を確認し、継続的な品質改善に取り組んでいきましょう。
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