スクリーン印刷において「寸法精度が出ない」という悩みを抱える現場は少なくありません。微細なズレが製品不良に直結するため、早急な原因究明が必要です。本記事では、スクリーン印刷の寸法精度を悪化させる4つの主な原因と、それを改善するための具体的な対策について解説します。
高品質なスクリーン印刷を実践するためには、メッシュ材料の選択から印刷条件の設定まで、全てを適正化する必要があります。印刷品質は、環境や周辺機器など様々な要素が複雑に絡み合って決まりますが、その中でも特に寸法精度へ直結しやすい要素が存在します。まずは、精度悪化を招く主な要因を見ていきましょう。
スキージの印圧が高すぎると、ストロークによる印刷画像の変形が大きくなってしまいます。均一な膜厚を得るためには印圧が必要ですが、過剰に印圧をかけてしまうと、かえって寸法精度に悪影響を及ぼすため注意が必要です。印圧は高ければよいというものではなく、適正な範囲を見極めることが重要となります。
スクリーンメッシュ自体の強度が低い場合や、均一なテンション(張力)で紗張りされていない場合も、寸法精度が低下します。強度が不足していると版離れが悪化し、印刷時の変形を引き起こすためです。特に高メッシュになるほど強度は低下しやすく、ファインライン印刷などでは大きな問題に発展します。
スクリーン版に使用されているアルミ枠が、気温の変化によって熱膨張を起こすことも精度悪化の原因です。金属は温度に比例して長さが変化するため、暑さや寒さによって枠の寸法が変わり、結果として印刷されるパターンの微細なズレに繋がってしまいます。
印刷する対象物(ワーク)が正確に固定されていないと、印刷時に物理的な位置ズレが生じます。手作業や目視による位置合わせでは限界があり、適切な治具を使用せずに作業を進めると、毎回同じ位置に印刷することができず、安定した寸法精度を維持できません。
前述した4つの原因に対して、現場で取り入れるべき具体的な改善策を解説します。
寸法精度が厳しく求められる場合は、適正印圧の範囲内で比較的低い印圧に設定して印刷を行ってください。低い印圧にすることで画像の変形を最小限に抑えられます。また、メッシュには高強度のものを採用することが重要です。寸法精度をさらに高めたいスクリーン版の紗張り方法としては、予め支持体メッシュと印刷用メッシュを繋いでから枠に張る「ダイレクトコンビ張り」などを検討することをおすすめします。
アルミ枠の熱膨張を防ぐために、印刷室内の環境温度を一定に保つ管理を徹底しましょう。さらに、印刷対象物(ワーク)を毎回正確な位置に確実に固定できる専用の治具(じぐ)を導入・活用し、物理的な印刷ズレや位置ズレを未然に防ぐことが、均一で高精度な仕上がりを目指すための重要な対策となります。
スクリーン印刷の寸法精度が出ない場合、スキージの印圧、メッシュの強度や張力、環境温度、そしてワークの固定方法といった複数の要因を確認する必要があります。高品質な印刷を実現するためには、これらの要素を一つひとつ検証し、環境と条件を適正化することが不可欠です。ぜひ現在の設定を見直してみてください。
スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。


