スクリーン印刷でムラやかすれが起こる原因は、スキージの角度と印圧の設定にあることが多くあります。
スキージは、版の上でインキに圧力を加えながら移動し、メッシュの開口部にインキを充填して印刷物へ転写する部品です。この動作を左右するのが「角度」と「印圧」です。
適切な角度・印圧で当たっていないと、インキの充填量や版離れのタイミングにばらつきが生じ、塗布膜厚みの不均一やピンホール、印刷ムラの原因になります。
特にスキージの平行が取れていないと左右で作用力に差が生じ、擦れやムラが発生しやすくなります。角度・印圧は平行状態とあわせて管理することが、品質を維持する第一歩といえるでしょう。
スキージのアタック角度とは、スキージが版と印刷物に接触している部分の角度です。印刷機のスキージヘッドは一般的に60度~90度で調整でき、角度が小さいほど膜厚は厚く、大きいほど薄くなる傾向があります。
90度に近づけるとスキージ先端部分(平らな面)が版に当たり摩擦力が急増するため、実際に印刷できる角度には限界があります。ある実験では、ゴム硬度90度のスキージでアタック角度88度まで印刷でき、60度~85度の範囲では膜厚にほとんど変化がなかったと報告されています。
一般的な平スキージ・剣先スキージは垂直から20度程度傾けたスキージ角度70度で使用します。形状に応じた基準角度を目安にするとよいでしょう。
参照元:ニューロング精密工業|スクリーン印刷コラム(34)(https://www.newlong.co.jp/pages/186/)
印刷機で設定するアタック角度は、あくまで調整値であり、実際にインキの吐出量を左右するのは版と接触する部分の実際の角度「実アタック角度」です。
ゴム硬度を下げる、印圧を上げる、速度を上げるといった条件はいずれもゴムの撓みを大きくし、実アタック角度を小さくするため膜厚が厚くなります。
左右バランスが悪いと撓み量に差が生じ、膜厚のばらつきの原因になります。硬度・印圧・速度・左右バランスをあわせて見直しましょう。
スキージ印圧とは、印刷時にスキージを上から押さえる力のことで、版と印刷物を密着させインキの漏れを防ぎます。
印圧不足はかすれの原因となり、掛けすぎるとゴムが変形してアタック角度が増し、インキの吐出過剰や版のダメージにつながります。また、スキージが下に移動できる限界位置「押し込み量」も印圧を左右する要素です。
角度・印圧を適切に設定してもムラや擦れが解消しない場合、まず確認したいのがスキージの平行です。
平行になっていないとゴムの作用力に左右差が生じ、擦れやムラが発生します。確認方法の一例として、テーブルに細く切った紙を2本平行に置き、スキージを下降させて紙を挟んだ状態で、ダイヤルやつまみを使い左右の当たり具合が均等になるよう調整する手順があります。
平行が出ていない場合、紙の片方は当たりが弱く、もう一方は強く感じられるため、差がなくなるまで微調整しましょう。調整後はダミーワークでテスト印刷を行い、確認してから本印刷に入ることが推奨されています。
参照元:Micro通信|スクリーン印刷機・スキージ平行調整の仕方(手順説明画像付き)(https://www.e-microtec.co.jp/media/sc_pr/squeegee_balance)
平行を調整しても改善しない場合は、スキージ先端の真直度やゴム硬度の選定を見直しましょう。真直度が出ていないと先端の当たり方や印圧にばらつきが生じ、縦スジやムラの原因になります。細かい線画には硬度の高いスキージ、厚膜が必要な場合は柔らかいスキージが適しており、パターンに合わない硬度を使っているケースも少なくありません。ゴム端部が丸く摩耗している場合や過度に曲がる場合は、調整では改善しないため交換が必要です。
スキージの角度・印圧調整は、アタック角度の目安を基準に、実アタック角度に関わるゴム硬度・印圧・速度をあわせて見直すことがポイントです。
改善しない場合は、平行出しや先端の真直度、ゴム硬度の選定、摩耗の有無を確認しましょう。
スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。


