スクリーン印刷機を中古で導入するか迷っている方に向け、中古の入手先と価格の目安、購入前の注意点、ボトルの意匠印刷で新品の専用機を選ぶべきケースをまとめました。
中古スクリーン印刷機の入手先は、大きく2つに分けられます。
1つ目は、スクリーン印刷機メーカーが自ら整備して販売するケースです。たとえばマイクロ・テック株式会社は、買い取った中古機を自社でメンテナンスし、保証期間1年を付けて販売しています。購入後の立ち合いや検収のサポートも、新品と同じ流れで受けられます。
2つ目は、中古機械販売業者や印刷関連企業が在庫品を販売するケースです。価格感の一例として、ヒートラボ株式会社が販売している小型の半自動シルクスクリーン印刷機(中古)の仕様を紹介します。
| 型式 | MO-2315 |
|---|---|
| 最大印刷可能エリア | 幅220mm × 奥行150mm |
| 状態 | 簡単なオーバーホール・動作確認済み |
| 販売価格 | 350,000円/台 |
ただし、これは平面を刷る小型機の一例です。印刷サイズや自動化の程度、曲面に対応しているかどうかで価格は大きく変わるため、あくまで目安と考えましょう。
参照元:マイクロ・テック株式会社(https://www.e-microtec.co.jp/recycle.html)
参照元:ヒートラボ株式会社(https://heatlab.jp/webshop/screen-printing-machine/)
中古機の主なメリットは、導入コストを抑えやすいことと、早く導入できることの2つです。スクリーン印刷機ではなく工作機械・鈑金機械の例となりますが、新品のおよそ30〜70%程度のコストで同等の機能を持つ機械を導入することも可能です。在庫があれば最短で数日〜1週間程度で納品できるとされています。
一方、新品には最新の機能とメーカー保証が付くという強みがあります。そのかわり、発注から納品まで数ヶ月かかることもあります。
※工作機械・鈑金機械の例であり、スクリーン印刷機の相場を示すものではないため、実際の価格差は機種や状態ごとに見積もりで確認しましょう。
参照元:コスモマシンブログ(https://blog.cosmomachine.com/中古機械の価格相場と新品との比較|コスト・納/)
中古機は1台ごとに状態が違うため、販売条件が「整備済み」なのか「現状渡し」なのかを、まず確認しましょう。
中古機の保証は新品のように一律ではなく、機械ごとに条件が異なります。保証の有無・期間・対象範囲を確認し、できれば購入前に動作確認もさせてもらいましょう。
中古機は在庫次第です。ボトル形状に合った曲面印刷機など、特定の機能をもつ中古機が必要である場合、在庫にない場合は入荷されるまで待つか、他の会社に問い合わせる必要があります。
ものづくり補助金では、中古設備も補助対象経費になり得ます。新品・中古を問わず、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の取得が必須です。そのうえで、中古設備には次のような追加の条件があります。
補助事業では単価50万円(税抜)以上の機械装置等の取得が必須のため、記事内で例に挙げた35万円/台の小型機を単体で導入する計画は、要件を満たしません。ただし要件は公募回によって変わる可能性があるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
参照元:行政書士法人Tree(https://office-tree.jp/blog/subsidy/monodukuri-chuko-setsubi/)
参照元:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金|ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(第23次公募・2026年5月8日締切)[※PDF](https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/23th/公募要領_23次締切_20260206.pdf)
スクリーン印刷は、製品を回転させながら版を同期させることで、円筒形や円すい形の側面に印刷できます。発色のよさと印刷面積の広さが強みで、ボトル・化粧品容器・グラスなど円筒形の製品に1〜2色で印刷する用途でよく採用されています。
球面や複雑な凹凸、深いくぼみのある形状には向きません。また、円筒形でも全周にデザインをつなげる場合は、つなぎ目の位置やデザインのズレ、印刷できる範囲を考慮する必要があります。
楕円や角を丸めた柱状など、円筒ではないボトルの外周に刷る場合は、一般に次のどちらかの方法をとります。
異形ボトルの側面までつながるデザインを少ない工程で効率よく刷るには、印刷機側にワーク形状に合わせた機構が必要です。「デザイナーの大胆な要望に応えたい」「他社にない容器デザインを提案したい」という目的では、平面用や汎用の中古機では対応が難しいケースがあると考えておきましょう。
容器デザインで差別化したいなら、ワーク形状に合わせて設計する新品の専用機が有力な選択肢です。
中古機と新品の専用機の違いを整理すると、次のとおりです。
| 比較項目 | 中古機 | 新品の専用機 |
|---|---|---|
| 価格 | 抑えやすい(小型半自動機で35万円/台・税別の例あり) | 仕様に応じて個別見積もり |
| 納期 | 在庫があれば短納期 | 設計・製作期間が必要 |
| 保証 | 機械ごとに異なる(メーカー整備品で1年の例あり) | メーカー保証 |
| 対応形状 | 在庫機種の仕様次第 | 楕円・角柱など自社ワークに合わせて設計可能 |
| カスタマイズ性 | 既存仕様が前提 | 印刷ヘッド・治具・前処理・乾燥まで最適化可能 |
使い分けの目安は次のとおりです。中古機は「既存の平面・円筒印刷の増設」や「試作用」に向いています。新品の専用機は「容器デザインの差別化」や「顧客への提案の幅を広げる設備」として位置づけると、判断しやすくなります。
引用元:ヒートラボ株式会社(https://heatlab.jp/webshop/screen-printing-machine/)
引用元:マイクロ・テック株式会社(https://www.e-microtec.co.jp/recycle.html)
引用元:コニカミノルタ日本文化精工株式会社(https://jnpt.konicaminolta.jp/product/kyokumen/index.html)
中古スクリーン印刷機は価格と納期で有利なため、平面・円筒印刷の増設や試作用には十分な選択肢です。ただし、整備状況や保証の条件、在庫の有無、補助金の相見積要件は事前に確認が必要です。楕円・角柱ボトルの側面までつながるデザインで差をつけたい場合は、ワーク形状に合わせて設計できる新品の専用機を検討しましょう。
スクリーン印刷機の中でも、印刷物の種類によってメーカーの得意不得意があります。そこでここでは印刷物に合わせておすすめのスクリーン印刷機メーカーを厳選して紹介。メーカー選びの参考にしてください。


